組織設計事務所で約10年構造設計に携わりましたが、設計や施工が完了すれば自分の手を離れていく日々の中で、運用段階に至るまで建物品質に向き合い続けたいという想いが強くなり、当社へ入社しました。三井不動産では超高層オフィスビルから商業施設、ホテル、ロジスティクス、さらにはアリーナまで、あらゆる用途の建物に携わることができます。
現在は構造計画や施工品質の確認を主軸に、昨今の物価上昇に対する構造計画の合理化提案や社内基準の改定といった技術的なサポートにも取り組んでいます。構造担当は全用途の建物を横断的に見るため、他部門より多くの設計者や施工者と協働する機会に恵まれています。さまざまな設計思想に触れながら自分自身の知見を広げられることが、この仕事の最大の魅力です。関係者の知見を集約して最適解を導き、未来の社会資本となる建築物を世に生み出すことに我々の存在意義があると考えています。発注者にとって難解な構造分野を分かりやすい言葉や資料で丁寧に説明し、事業推進の合意形成を支えることも、重要な使命だと捉えています。

三井不動産は業界のフロントランナーとして、脱炭素やDX活用などの社会課題に積極的に取り組む、チャレンジングな社風です。我々もその流れを技術的に支えるべく、環境配慮型コンクリートやグリーン鋼材、木質構造など、最新の技術知見の蓄積を欠かしません。
品質管理において私がこだわっているのは、物件固有のポイントを施工計画に落とし込み、各工事の初期段階で現場担当者と直接コミュニケーションを取ることです。「図面や施工計画書に書いてあるからOK」ではなく、なぜその管理項目が重要なのかを相手にしっかり納得してもらう。設計者や施工者と意見が異なることもありますが、お互いに「良い建物を造りたい」という根底の想いは同じです。まずは相手の見解を理解し、その上で三井ブランドの品質確保に向けて地道に最善の着地点を見出していく。現場での泥臭い対話の積み重ねこそが、最終的な建物の品質を格段に向上させると実感しています。

当社の技術者は経験豊富なベテラン層が厚く、さまざまな立場で活躍してきた頼りになるプロフェッショナルばかりです。部門を超えた交流も活発で、困難な課題に直面した際も気軽に相談できる風通しの良さがあります。また、子育て世代にとっての働きやすさも大きな魅力です。子供が発熱した際などは在宅勤務を活用できますし、基本的には毎日、夕食を家族と自宅で食べる時間を確保できています。
今取り組んでいる課題の一つに、「脱炭素推進」があります。構造分野では、鉄やコンクリートの脱炭素技術をはじめ、既存躯体や木質構造の積極活用に向けた文献調査ならびに専門家へのヒアリングを実施し、発注者の求める脱炭素効果・性能・品質・コスト等を考慮した最適解の模索に、やりがいをもって取り組んでいます。最近は技術継承も進み、同年代の仲間も増えました。先人たちが蓄積してきた知見を新たな技術で更新しながら、次の世代へとしっかりと技術を継承していくことも我々の重要な役割です。これからも技術者としての誇りを胸に、未来の社会資本となる良質な建築物を世に生み出し続けていきたいと考えています。
